過去偲び悲しい時が化粧する

父母くれし夢に答えず感泣す

同窓会傘寿派手着てしわ笑う

笑われうが黙っておれぬ孫話

朝寝して絶えず詫びてる仏壇で

逝た弟亡夫と浄瑠璃語りおろう

遠うの日は亡父の読経が目覚ましに

小雪舞いインターへ老いを走らせる

暑かろうが庭木よ散髪一寸待ってね

木陰窓涼しい風が訪うてくれ

厭味語も日にち薬で飛んで逃げ

降り続く梅雨に畑草大威張り

土曜日曜と市新武蔵を待ち焦がれ

結納無し天女の様な孫の嫁

身内悲喜つづいて廻す独り独楽

爪に灯を点すに亡夫が支援くれ

向かい風言いわけもせず御免なさい

今は着ぬ数多の和服で夢を生む

高学費注いだ孫婚超簡素

名ドラマ見つつ相鎚地欲しくなる

父も母も寝もせず末期会えもせず

父母の愛何に例えよそう菩薩

助けられ三年の命いとおしむ

今紙上も噴きだす佳句が並んでる

割引セール浮かれてついつい無駄を買う

長欠伸割込む昼寝で生き返る

 光子 作品集